行政書士事務所のホームページは、依頼者が「自分の手続を扱っているか」「どの地域・対象に対応するか」「報酬と実費はいくらか」「誰へ相談するか」を確認する場所です。業務名を並べるだけでなく、対象者、必要な準備、相談から受任までの流れを一般の言葉で説明します。
行政書士の業務は幅広い一方、他の法律で制限される業務や、事案の状況によって他士業の対応が必要となる領域があります。ホームページで「すべて解決」「必ず許可」と見せず、実際の業務範囲と連携方法を正確に示すことが信頼につながります。
相談対象・業務・地域を最初に絞り込めるようにする
建設業許可、在留・国際、相続・遺言、法人・契約書、自動車、飲食・風俗営業など、分野名だけでは依頼者が判断できないことがあります。誰の、どのような状況を対象にするか、対応地域、面談方法、現在受け付けていない業務を説明します。
個人と法人、国内手続と国際関係、単発と継続支援では必要情報が異なります。トップページから対象別の入口を分け、相談前に過剰な資料を送らせない構成にします。
事務所・行政書士の登録情報を正確に示す
事務所名・行政書士名・所属行政書士会
正式な事務所名、行政書士名、所在地、電話番号、営業時間、所属する都道府県行政書士会などを、登録情報と照合します。行政書士法人、共同事務所、他資格との併記は、どの資格者がどの業務を担当するか誤認させない表示にします。
プロフィール・資格・特定行政書士等の表記
経歴、資格、研修、役職、取扱分野は、現在有効な事実を掲載します。資格名を短く省略して権限が広いように見せず、特定行政書士など業務範囲に関係する表記は正式名称と実際の対応範囲を確認します。
個人事務所の一般的な会社概要や運営項目は個人事業主のホームページ作成で扱い、この記事では行政書士の登録・業務表示を優先します。
取扱業務と他士業との境界を分かりやすくする
業務ページは対象・支援範囲・成果物を示す
業務ごとに、対象者、行政書士が行う作業、依頼者が準備する資料、申請先、一般的な流れ、報酬の決まり方を説明します。「申請代行」だけでなく、書類作成、相談、提出手続、補正対応など、実際に含む範囲を明確にします。
許可・認定の取得を保証しない
許可や認定は、要件、事実関係、行政庁の審査などにより結果が決まります。「必ず許可」「成功率100%」など、行政書士へ依頼すれば結果が保証されるような表現は避け、受任前に確認する条件と対応範囲を示します。
他の法律で制限される業務を区別する
行政書士法でも、他の法律で業務が制限される事項については行政書士が行えない旨が定められています。紛争性のある法律問題、登記、税務、社会保険などが関係する場合は、行政書士が行う範囲と、弁護士・司法書士・税理士・社会保険労務士等へ連携する範囲を実態に合わせて説明します。
報酬・法定手数料・実費を分けて表示する
報酬の対象業務を明確にする
相談料、着手時の報酬、申請書類作成、提出、補正、翻訳、継続支援など、事務所の報酬が何に対するものかを示します。案件ごとに変わる場合は、最低額だけを強調せず、見積もりの時点と変動要因を説明します。
法定手数料・証明書代・交通費等を区別する
官公署へ納付する手数料、証明書取得、郵送、交通、翻訳などの実費は、行政書士報酬と分けます。税込・税別、支払時期、キャンセル、申請後の返金可否、追加費用が生じる条件を近い位置に置きます。
行政書士職務基本規則では、報酬額表を事務所へ掲示し、インターネット等でも公表するよう努める旨が定められています。掲載する場合は、実際の報酬規程と一致させ、古い料金を残しません。
相談フォームで機密資料を集めすぎない
最初の相談は必要最小限の項目にする
氏名、連絡先、相談分野、対象地域、希望する連絡方法など、初期判断に必要な項目へ絞ります。在留、相続、許認可、契約などでは、身分証、戸籍、財産、犯罪歴、企業秘密を含む可能性があるため、一般フォームへ詳細を貼り付けさせない設計が必要です。
受任後の資料共有を分ける
詳しい書類は、受任可否と必要性を確認した後、安全なファイル共有や面談で受け取ります。SSLだけでなく、閲覧権限、通知メール、保存期間、削除、委託先、多要素認証まで決めます。基礎はSSL・セキュリティで確認できます。
返信範囲と本人確認を案内する
フォーム送信だけで受任や申請が成立しないこと、内容により対応できない場合があること、返信目安、正式受任時の本人確認を説明します。問い合わせ機能一般は問い合わせ・相談機能へ分けます。
広告宣伝は事実・誤認・誇大の観点で確認する
2024年4月施行の行政書士職務基本規則は、ホームページやSNSを含む広告宣伝について、不当な目的や品位を損なうおそれのあるもの、事実に合致しないもの、誤認・誤導のおそれがあるもの、誇大なものを行わないよう定めています。
実績件数、許可率、最短日数、ランキング、「専門」「全国対応」「相談無料」などを掲載する場合は、対象、期間、条件、例外、実際の体制を確認します。依頼者の声や事例は、本人同意、秘密保持、結果の一般化、第三者が特定できないかを点検します。
外部の比較・紹介サイト、検索広告、SNS運用を委託する場合も、事務所が掲載内容を確認し、誤りを修正・停止できる状態にします。
コラム・地域情報は制度改正と担当範囲を管理する
手続解説の記事には、対象日、根拠となる官公署・法令、必要な条件、個別事情で変わる範囲を示します。申請様式、手数料、提出方法、在留制度などは改正されるため、確認者と次回見直し日を記録します。
地域名は、実際の事務所所在地や対応地域を説明するために使います。所在地がない地域に事務所があるように見せたり、地域名だけを変えたページを大量に作ったりしません。SEO一般はホームページ作成時のSEOへ分けます。
制作会社・制作者を選ぶ確認項目
行政書士サイトの制作実績だけでなく、業務範囲と他士業の境界を事務所側と確認し、報酬・実費・申請条件を正確に原稿化できるかを見ます。制度や料金の変更を行政書士本人が更新できることも重要です。
- 登録情報、取扱業務、対応地域を正式資料と照合できるか
- 行政書士が行う範囲と他士業へ連携する範囲を分けられるか
- 報酬、法定手数料、実費、追加条件を整理できるか
- 機密資料を一般フォームへ送らせない受付設計ができるか
- 法改正・手数料改定時に事務所側で更新できるか
他の専門職・事業者との共通設計は、業種別サイトの作り方で確認できます。
よくある質問
- 取扱業務は多いほどよいホームページになりますか?
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実際に対応できる分野、地域、顧客へ絞る方が依頼者は判断しやすくなります。業務名だけを増やさず、対象者、支援範囲、準備資料、報酬、対応できない場合を具体化してください。
- 許可取得率や最短日数を掲載してもよいですか?
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結果は申請者の状況や行政庁の審査で変わります。実績数値を使う場合も、対象、期間、母数、除外条件、根拠を確認し、許可や短期間での完了を保証する印象を避けます。
- 相談フォームに戸籍や在留カードを添付してもらえますか?
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初回から一般フォームへ送らせるのは避け、受任可否と必要性を確認した後、安全な方法を案内します。閲覧者、保存先、保存期間、削除、本人確認の手順を決めてください。
まとめ
行政書士事務所のホームページでは、取扱業務、対象者、地域、行政書士情報、報酬と実費を明確にし、依頼者が相談できるか判断できるようにします。許可結果を保証せず、他士業の業務との境界を正確に示し、職務基本規則に沿って広告を点検します。機密性の高い資料は一般フォームと分け、制度改正時にすぐ更新できる体制を整えましょう。